手錠の重みが消えた今も、残されたのは記憶とノート、そして音だった。四年という終わりの見えなかった時間。トラックメーカーは機材を失い、手元に残ったのは紙とペンのみ。そこから始まったのは、脳の奥底に焼きついた回路をたどる旅。哲学的な生と死、格差と貧困、そして’自分’という存在への問いが、獄中の孤独と共に言葉となった。
これは2021年から2023年にかけて書かれた詩であり、Qrausというフィルターを通じて表現された、電子音と詩の融合である。トラックもラップも、すべて自身の手によって制作された。これは、語らなかった者が語り出す瞬間であり、ラッパーとしてのQrausのファースト・アルバムでもある。アブストラクトな質感と、重く沈むビート。時折浮かぶシンセの残響。音楽というよりも、これは一種の電子的回想録である。そしてこのアルバムは、新たな世界への扉。非現実的なQrausという存在を通して生まれた、クラッキングツール。あなたの神経回路にこの音が侵入したとき、何が残るのか?明日は変わるのか──それとも、今夜すら更新されないままか。選択肢はない。起動せよ。アクセスはすでに始まっている。
TRACK LIST :
1. INTRO (feat. SPHERHELIX)
2. TIMES TO SHINE
3. Invisible
4. Lumivance
5. AKAOCHI
6. Altered state of consciousness
7. Lonly Huss
8. Upbringing
9. Colored Glasses : Prejudiced View
10. Hard Vs Soft
11. Silent Void
12. Huslinpic
13. 2Face
14. Cut From Reality
PROFILE :
名古屋育ち拠点は各地、ラッパー/トラックメーカー/スケーター。10歳の時にスケートと出会い14歳の時にMPC1000でトラック制作を開始、15年はインストアルバム「人間交差点」、17年に「Example For Dream」を自主制作でリリースしビートライブをするようになる。その後日本とニューヨークなどを行き来する生活の中、21年ある件でフェロニーとなり拘束。残されていたデータから22年3rd「Unconfirmed Quantize」と、4th「TRACE」が自身のレーベルUnfix Recordsからリリース。25年に解放され5th「Chained Rhythm」、そして8月に自身初となるラップアルバム「Scriptures Of Solitude21.23」をリリースしラッパーとして活動を始める。近日2ndアルバム[SIMULAQRA]がリリースされる。
■ 2025年8月5日発売
| 販売価格 | 2,750円(税250円) |
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| 型番 | CDQR003 |