【直筆サイン入り】初回入荷分は、著者である吉田雅史 a.k.a. MA$A$HIさんによる直筆サイン入りとなります。
アメリカと日本(フッド)に引き裂かれた日本語ラップには、戦後社会のアンビバレンスが凝縮されている。緻密な楽曲分析を通し、ヒップホップの本質とこの国の「リアル」を抉る、衝撃の日本=ラップ論。
ハイとロウ、芸術と路上、知性と野生。異形のヒップホップ論にして、斬新な現代文化論。批評再生塾の初代総代にしてラスボス、MA$A$HIが遂に単著デビュー!
――佐々木敦(批評家)
最後の音楽であるヒップホップは、未だ強く新しいナラティヴを生み出そうとしている。そしてやがてそれは終わるだろう。モダニズムという脂質と、歴史という糖に、同時に淫する、誠実な吉田の、誠実な両価性(アンビバレンス)。
――菊地成孔a.k.a. N/K
目次 :
はじめに
ヒップホップという生き方/なぜヒップホップについて考えるのか
ヒップホップの黄金期/ローカライズからトラップへ
リアルとアートのアンビバレンス/本書の流れ
第1章 リアル
ボースティングという名の構え/ストーリーテリングの誕生
ジェイ・Zとケンドリック・ラマーの話法/ヒップホップはリアリティ・ショーなのか
マック・ミラーという特異点/ラッパーという名の芸術家
フェイク・ドキュメンタリーをまなざす
第2章 オーセンティシティ
アメリカの影、再び/日本語ラップという片割れのバンズ
日本語ラップVS. J―RAP/ビートとジャズの出会い/ヤン富田の現代音楽
DJ KRUSHとビートの旅路トリップ/ビートに宿るオーセンティシティ
第3章 フロウ
平板な日本語という条件/押韻という名の欲望
Keisuke Kuwataという起源/日本語ラップにとって七五調とはなにか
日本語ラップ論争/英語の会話はラップなのか
SEEDAによる日本語解体/KOHHと破調のフロウ
失われたダサさ
第4章 風景
風景の発見、再び/いとうとZeebraの東京/フッドの発見
THA BLUE HERBの原風景/SEEDAとKOHHの東京
MVは何を映しているのか?/ヒップホップ=ヴィジュアル系
唇の功罪/ハイパー・シンクロニゼーション/ラッパーと映像による共犯
カニエ・ウエストは不死鳥の夢を見るか/ドンダという名のフッド
ラッパーにとって映えとはなにか
第5章 ビート
少しだけ未来を見通すビート/反復するのは人間か、機械か?
アクシデント起源説:ビートメイカーの自我確立
コラージュとしてのサンプリングアート/アンビエント・ヒップホップに耳を澄ます
Gファンクと生演奏/南からのキーボード・ビーツ
トラップ:ノリと低音の革命/パラメータ化するビートと署名
808という名の署名
第6章 日本語ラップ
日本語という条件/複数形のグローバル・ヒップホップ「ス」
二〇一〇年代のUSラップ/DJ KRUSHとJinmenusagiの化学反応
『KUUGA』の唯一無二性/舐達麻流エモラップ/鬼と妖怪とラッパーたち
アメリカの影の外へ/日本語ラップという名のワイルド・スタイル
あとがき
参考文献
アンビバレント・ヒップホップ
著者:吉田雅史 a.k.a. MA$A$HI
定価:\3,300(税込)
判型/造本:四六判/並製
ページ数:424
ISBN:978-4-907188-58-0
発売日:2025年3月7日
PROFILE : 吉田雅史
1975年生まれ。批評家、ビートメイカー、MC。ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾第1期総代。 著書に『ラップは何を映しているのか』(2017年、大和田俊之、磯部涼との共著)、 『最後の音楽𝄇』(2024年、壮子itとの共著)、 訳書にジョーダン・ファーガソン『J・ディラと《ドーナツ》のビート革命』(2018年)。 ビップホップ・コレクティヴ「口頭遊民ダコタ」主宰。 ビートメイカーとしてMeiso『轆轤』(2017年)プロデュース、OMSBのEP『HAVEN』(2021年)、 『喜哀』(2023年)へ参加など。
■ 2025年3月7日発売
販売価格 | 3,300円(税300円) |
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型番 | GE_YO004 |