ヘルシンキに近づき、飛行機がゆっくりと高度を落としていくと眼下には森と湖が一面に広がっている。と、突然森を割って滑走路が表れ、僕はフィンランドの大地に降り立った。そんな国土のほとんどを森林と湖に覆われたフィンランドの首都ヘルシンキでヒップホップを作る、生粋のBボーイ "アメーバ" の最新アルバム全14曲!!

　2005年には自作のビートのみをミックスした "ユニバーサル・スラング"、女子MC ミニーリーとの共作 "イントロスペクティブ"、2006年のラップ・アルバム "ザ・ダスト・イシューズ"の3作全てが当店で好セールスを記録し、すっかりファンが定着した感のあるアメーバ。相変わらずのドロドロとした低音の英語ラップを聴かせ、今作でも全14曲中10曲のビートを自身で手掛け、あとは3曲を同じくヘルシンキの名手カリユガ・プロ、残り1曲をケンジ451が提供しています。やはり北欧産といいますか、透明感がありクリアな独特なビート群は、聴いているだけで心が洗われるかのような感覚を味わえます。

　前3作からさらに進化を遂げ、音楽的にも深みを増したアメーバの真骨頂!! 3曲目には同郷のMC アイワーとスウェーデンのMC ナーダスディを今作唯一のゲストとして迎えていて、7曲目はラブソングであります。ヘルシンキと、彼女の住むドイツのベルリンを行き来しながら曲を書き貯め、スポンサーを受けるほどの腕前を持つスケートボードも楽しみながら、フィンランド人のゆったりとした生活速度で毎日を楽しむ、そんな生活から生み出された本作、カッコ悪い訳がない!! チャットしてても、"あ、天気良くなってきたからスケートしてくるよ、またね"と唐突にチャットを打ち切るマイペースっぷり。

　僕らと同じくかつてはカリフォルニア産のアングラ・ラップを聴き漁り、通販サイトでカセットテープを買っていたというハーコーなBボーイである。フィンランドやスウェーデン、ヨーロッパのヒップホップのファンはもちろんのこと、アメリカ産以外のヒップホップもたまには聴いてみようかなという方にも是非楽しんで頂きたい逸品!! 場所は違えど自主製作で自身の思いをヒップホップを使って吐露していく、日本でもフィンランドでも同じ光景が繰り広げられている。彼らの視線から世界はどう見えているのか、興味は尽きない。スタッフ激推薦盤!!


TRACK LIST :
01. morning glory : -
02. travellin' man
03. delivered to the world (feat iwere&nadasdi) : -
04. friends
05. sudden changes
06. ups and downs : -
07. could you be : -
08. can't help it (interlude)
09. back against the world
10. pain : -
11. my blues
12. wheels of fortune
13. just another page of a daydreamer's diary (ameba remix)
14. grasp the moment

beats:
ameba : 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 11 and 13 (samples : enigmatical)
kaliyuga pro. :1, 10, 12
kenji451 : 14

all the dirty work by ameba the moodman 2004-2009

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