
Wenod (以下 W) : まずは自己紹介からお願いします。 タクザコドナ (以下 タ):タクザコドナ (TAK THE CODONA) と言います。ゴールドフィンガーズキッチン主宰。大会では総合司会としてマイクを握っています。 W : 2008年4月に第1回が開催されましたね。国内では、かなり早い段階での大規模なビートバトル大会だったと思うのですが、開催するきっかけって何かあったのですか? タ:アイディアとしては4年くらい前からビジョンがあったんですが、実現にむけて加速した背景にはやはりMCバトル等に見られるバトルブームの後押しや、西麻布で行われたDTMのラップトップバトルがありましたね。実際、即興でつくるビートでオーディエンスが楽しめるのか、またプレイヤー自身が15分という短い時間で高いパフォーマンスを披露出来るようになるまでトーナメントが成熟するのかなど問題は多かったんです。スポンサーに理解してもらうために実際MPCを操作してみせたり、お客さんが楽しめるようにルールを簡素化したりと胃に風穴の空きそうな日々が続きましたが気付くと後戻り出来ないところまで進んでましたね。 W : 大成功を納めた第1回目でしたが、初めての事もあったと思うので、良かった点や悪かった点などが出て来たと思うのですが、そこらへんの事を聞かせていただけますか? タ:前例がない大会だったのでルールの敷設がやはり難題でした。平等に、且つスリリングなパフォーマンスが期待出来るように決めたはずでもお客さんも出場者も、勿論ボクもうろたえてしまう瞬間がありましたね。それにトラックをつくっている15分間という時間をお客さんはどこをどう見て楽しんだらいいのか、などエンターテイメントとしてはまだまだ未熟でした。そこからよせられた声にたいして改良をくわえて今のカタチにたどり着きました。 W : 第2回目となった2009年ですが、第1回目に比べると予選会や新たな種目も増えたりしましたね。 タ:二回目はビートクロスバトルの設置が課題でした。初回開催を終えてみて、必ずしもドラミングを駆使したパフォーマンスが勝ち上がる訳ではないというのも予想外の事態だったんですよ。「制作」に特化したのがトラックメイキングバトルだとしたら「リアルタイムの演奏」に特化したトーナメントもあるべきだろうと考え実現に踏み切りました。 W : 確かに。ライブではDJがターンテーブルの変りにMPCを叩いてパフォーマンスをするアーティストも、今では当たり前のようになってきていますもんね。そういったアーティストにとっては、最高の舞台だと思いますね。 タ : うんうん。とはいえミュージックステーションとか、でかい舞台でMPCを叩いている画をみても、一般の人にとってはそれが何のマシンで、何をしているのかさっぱりわからないと思うんです。だから主張もしにくい。バックバンドの一員として機能する以外に晴れの舞台が必要だったんですよ。トラックメイカーはなんとなく内向的な人が多いと思うんですけど面と向かってオーディエンスに自分のスキルを突きつけるって感覚は大事でしょう。DJしながら自分の楽曲をなにげに混ぜるっていうやりかただとここまで是非を問えないし、我ながらいい環境を作れたなって思います。 W : 今回のファイナル決勝は "PUNPEE" さんと "LARGE AS DUSTEE PAD" さんという、予選大会の勝者が再度対戦するという宿命というか運命というか、そんな結果となりましたね。 タ:彼ら二組のバトルは2009年の大会を象徴するカードでした。1STステージでパンピーが "NEXT EPISODE (Dr Dre)" のラインを演奏するというパフォーマンスを披露したのに端を発して、決勝ではラージ・アズ・ダスティパッドが揚げ足をとってそのプレイをコピーしてみせました。その軍配はラージにあがるのですが、再び決勝の舞台でパンピーが「お返し」するというドラマもおもしろいですね。 W : 本当そうでしたね。対戦相手のパフォーマンスに対してアンサーを返すというのを、瞬時に対応する技術は見ていて興奮しましたね。バトルに特化したアーティストは今後増えて行きそうですね。 タ:そここそがビートで遊ぶということだと思います。GFはバトルなので敵同士ですけど、相手の演奏に対してなにがしかのアンサーを発信するというのはセッションにも通ずる要素だと思うし、クリエイターならやっぱその域は目指して欲しいので望むところです。 W : 個人的な意見を聞きたいのですが、出演者の中で素晴らしいパフォーマンスを見せたベストアーティストを聞かせていただきたいのですが。 タ:引き出しという点で、一貫して高いユーモアを保ち続けたパンピーが頭ひとつ抜けていたのは疑いようがありません。一方、楽曲のクオリティで楽しませて くれたのはKOR-1、FILLM。予想もしなかったMPCの使い方で驚かせてくれたKINSANも素晴らしかった。ヘッズにMPCの楽しさを伝える入り口 として揚げるなら "U★SEI vs 熊井吾郎" のバトルが王道と言えるでしょう。よくばりですかね。すいません、見所多いんで一人にはしぼりきれません(汗) W : 世界のMPCプレーヤーで、好きなアーティストをいくつか聞かせて下さい。 タ:J DILLA、カニエウェスト、DJ PREMIER、PETE ROCK、KILLER BONG、PREFUSE73、DJ SHADOW、O.N.O ... おおいかな、、、かなりしぼったんすけども.....(汗) W : タクザコドナさんにとっての、MPCの魅力についてお聞かせ下さい。 タ:まず、あのアナログなルックスにやられますよね。mpc1000とかはかなりスタイリッシュなんですけども、Q-TIPにしてもミチタさんにしても多くのアーティストがジャケットにMPC達を登場させているのは多分2000やXLらへんのアナログなフォルムに愛着あるわけですよ。で、PCとちがって音楽以外の不要なものを積んでない分、ボタンやパッドの操作にストレスを感じない気持ちよさ。レスポンスにタイムラグがないから、MPCからDTMにながれていったユーザーにはそこらへんの違和感がいまだつきまとうのです。 ソフトウェアでトラックを作るトラックメイカーの中にも「ドラムだけはMPCで打ち込む」というひとも少なくないのは「演奏」している感覚が実感できるからだと思うんですよね。それと出音が特徴的で、MPCに一度取り込み、劣化させる事で質感やグルーブが産まれるという手法は古くから語り継がれていて、人気を支える重要なファクターだと思います。 W : 2010年のGOLDFINGER KITCHENの予定は既に決まっていますか? タ : 2010年度はAKAI社製のサンプラーに加えてすべてのハードサンプラーの出場が可能となります。すでに、トレーラーやDVDでもエントリーの案内がはじまっていて応募のメールも集まってきています。 W : それは凄く面白い企画ですね。世界を視野に入れて、海外アーティストの参加などが出て来たら更に面白そうですね。 タ : それは発足から目指しているひとつの到達点なんですよね。「音」で競い合うということは言葉の壁がないから世界規模での開催が理屈的には可能じゃないですか。その為にはやはり段階的にこのイベントを大きくしていきたいんです。ボクがさっき列挙したアーティストを招致して開催できたら感無量ですね。 W : 最後に、オーディエンスへのメッセージをお願いします。 タ:いままではトラックメイカー達がスキルの一環として本トーナメントを戦ってきたというSHOWとしての要素が強かったと思うのですが、GFも市民権を得たことで、この大会を目指してMPCを購入したプレイヤーが腕を磨いてでてきます。新しい才能の台頭と古参の底意地にさらに白熱が期待されるゴールドフィンガーズキッチンを一度は生で見に来て欲しいです。 応募方法 : mpc_goldfinger@yahoo.co.jpまで「詳細希望」と明記してメールを送ってください。 詳細確定次第、折り返しアナウンスがあります。
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