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90年代以降のジャパニーズ・ヒップホップを語る上で、決して外せないBUDDHA BRANDというグループにおいて、その独特な言語感覚とカリスマ性で強烈な存在感を示したNIPPS。2002年のソロ・アルバム以降、まとまった形でのリリースから遠ざかっていたが、彼がメンバーの一員として今回アルバムをリリースするのが、このTETRAD THE GANG OF FOURだ。辞書を開いたらたまたま出て来た、「４つのものが１つになったもの」という意味の言葉をそのまま使ったそうだ。「たまたまみんな宇田川町の洋服屋で働いてて。４人でタバコ吸いながらしてた“今度４人で何かやりたいね”って話から始まったんだよね」（NIPPS）。元々はほとんど繋がりのなかったラッパー４人で結成されたユニットだが、それを感じさせない統一感が本作からは感じられる。そしてその理由の一つとして取り上げられるべきトピックは、ニューヨーク在住の日本人トラック・メイカー、KEN SPORTが本作の楽曲を全曲手掛けているという点だ。「アメリカに住んでいた時に知り合ったんだけど、その頃はそんなに交流があったわけではないんだ。KENとは最初フィーリングで繋がったんだけど、本当に才能のある人だった」（NIPPS）。

　90年代後半のジャパニーズ・ヒップホップを体験しているコアなファンにとって、KEN SPORTという名は知る人ぞ知る存在で、コアなリスナーであればある程、そのKEN SPORTがアルバム一枚まるまる手掛けているという事実に興奮するはずだ。「俺も会ったことないけど、芯のある人っていうのは音聴いただけで分かりますよね」（B.D. the Brobus）。KEN SPORTの作り出す、本場仕込みの渋いビートに乗る４人のラップも、かつてアメリカのアンダーグラウンド・ヒップホップが持っていた得体の知れない禍々しさに満ちていて、ここ最近の日本語ラップでは聴けなかった感触のアルバムに仕上がっている。今後も活動を続けていくというTETRAD。彼らがシーンにどのような影響を与えていくか楽しみだ。（INTERVIEW & TEXT : YUSUKE ITO、VA誌より抜粋）。さらに今回アルバムと共にパッケージされるDVDには、収録楽曲のPVをなんと３本収録！！！またそのメイキングショットや、レアなレコーディング風景などなどコアファンにはたまらないお宝映像が満載！映像作品も少ないNIPPSだけに、絶対見逃せない内容に。



[CD]
1. THEME-BW
2. GOD SPEED - NIPPS, B.D. the BROBUS, VIKN, SPERB
3. GESTICULATION - NIPPS, B.D. the BROBUS
4. DISCO
5. K.G.B. (killer green budz) - NIPPS, B.D. the BROBUS, VIKN, SPERB
6. KILLA INDO - NIPPS, B.D. the BROBUS, VIKN, SPERB
7. SURROGATED MOTHERSHIP - VIKN, SPERB
8. GANGSTA INTRO - NIPPS, B.D. the BROBUS
9. SHINOBI - NIPPS, B.D. the BROBUS, VIKN, SPERB
10. PARTNERS IN CRIME pt.2 - NIPPS, B.D. the BROBUS, VIKN, SPERB
11. STATIC - NIPPS, B.D. the BROBUS, VIKN, SPERB
12. GALAXY
13. TETRAD - NIPPS, B.D. the BROBUS, VIKN, SPERB (Cuts by Shu-G)

[DVD]
1. RECORDING SCENERY
2. PARTNERS IN CRIME pt.2 (PV)
3. PV MAKING 1
4. B.D. ft. NIPPS CM SPOT
5. PV MAKING 2
6. STATIC (PV)
7. PV MAKING 3
8. VIKN & SPERB CM SPOT
9. PV MAKING 4
10. KILLA INDO (PV)



[TETRAD THE GANG OF FOUR]
　日本のヒップホップ史上最強のグループの一つであるBUDDHA BRANDのメンバーとして一時代を築いたNIPPS。THE BROBUSというグループで活動後、現在はソロ活動を中心に展開し、今年ソロ・アルバム「GENESIS」をリリースしたB.D. the Brobus。THE GHOSTというグループの一員であるVIKNとSPERBからなる４人組。それぞれ所属するグループ／クルーや年齢も異なる４人だが、NIPPSの発案によりユニット結成。B.D.のソロ・アルバム・リリースを契機にTETRADとしてのライブ活動も開始し、同時進行で進めていたアルバムがついにリリースされる。

[NIPPS]
　いわずと知れたモンスターグループ「BUDDHA BRAND」を脱退後、ソロやILLMATIC BUDDHA MC’sとしてもまれに活動するHIBAHIHI（ヒバヒヒ）ことNIPPS。ジャンルを超えて多くのファンを持つ彼は、一言一句全てがパンチラインという奇跡のラッパー。その別格とも言える世界観は誰も追いつくことも真似することも出来ない唯一無二の存在。ソロアルバムを2002年春にリリースして以降、ヒップホップヘッズは固より、彼に影響を受けたラッパーやDJ、各マスコミ媒体まで、彼の新作を待ち望むファンはありとあらゆる場所に果てしなく存在する。

[B.D. the BROBUS]
　数多く存在する”若手”と呼ばれるラッパーの中でも今最も注目を集め、ストイックかつ硬派なそのラップスキルに今後が期待されるB.D. the BROBUS。「TETRAD THE GANG OF FOUR」の影のキーマン的存在。所属するグループ「THE BROBUS」の活動停止後の今年8月にソロアルバムを発表。NIPPSを客演に招いた楽曲「POISON」が話題となる。彼のMySpaceに「どうやってNIPPSとコンタクトをとったんだ？」という旨のメールが海外から送られて来るほど。その目覚しい活躍は今回のアルバムにもいかんなく発揮されている。

[VIKN]
　渋谷を中心にダークホース的活躍をみせる「GHOST」のメンバー。客演参加した「日本語ラップ IS DEAD?」や「STRIKE BACK(反撃)」、「MICROPHONE RACE」などで評価を得ている。今後の活躍が注目を集めるラッパーの一人。「THE GHOST」名義のアルバムも完成間近。

[SPERB]
　VIKNと同じく「GHOST」のメンバー。BUDDHA BRANDのメンバーだったDEV LARGEことD.Lが2006年末に発表したアルバムに客演として抜擢され注目を集める。TETRAD THE GANG OF FOURの中で図らずもおいしいところを持っていく、天運にも恵まれた（？）急成長中の新世代ラッパー。

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